
日本では、毎年のようにどこかで大きな災害が発生しています。
地震、津波、火山の噴火、台風、豪雨など、あらゆる自然災害が発生し、世界でも有数の「災害大国」とも言われています。
これらの災害に強い社会をつくるため、日本では建築物をはじめさまざまなインフラの強化が進められてきました。
住宅について多くの方が思い浮かべるのは、耐震性能を高める取り組みではないでしょうか。
現在ではさらに、地震などの災害に耐えられるだけでなく、災害時でも日常に近い生活を維持できるための備えが求められています。
高い省エネ性能・断熱性能を有する住宅は、この点についても優位性を発揮します。
国土交通省が編集協力した「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅を住みこなす住まい方ガイド」(2024年3月、発行:一般社団法人 環境共生住宅推進協議会、以下「住まい方ガイド」)が、4番目の視点に挙げるのは
「災害時でも日常生活を維持するために高性能な機能をもしもの備えに」
です。
高断熱住宅なら災害時・非常時に電気・ガスが止まっても
在宅避難が可能に

「住まい方ガイド」は、断熱性能が高い住宅では災害などで電気・ガスなどのライフラインが止まっても在宅避難が可能と紹介しています。
高い耐震性能も有することを前提とした上で、その理由として挙げるのは、「非常時や災害時に電気やガスが止まり暖冷房設備を動かせなくても、その高い断熱性のために、夏の暑さや冬の寒さによってすぐに室内の温度が上がったり下がったりすることがなく、一定の室温を保つ」ことができることです。
太陽光発電、蓄電池を組み合わせた対応も

断熱性能の高い住宅に太陽光発電システムや蓄電池を組み合わせることで、平常時は省エネに役立ち、災害時・非常時には貴重な電源として機能することも紹介されています。
●太陽光発電システムの活用
平常時
高断熱住宅と太陽光発電を組み合わせれば、発電した電力を自家消費にまわしたり、余剰電力を電力会社に売ったりすることで、より一層省エネを増進させ、日本でも課題とされているカーボンニュートラルに寄与することができます。
災害時・非常時
災害などにより停電が起きても、「自立運転機能」に切り替えることで非常時の電源として活用することができます。
ただ、「自立運転機能」の使用方法がメーカーや機種によって操作方法が異なる場合があるため、「住まい方ガイド」は取扱説明書や各メーカーのホームページを確認しておくよう勧めています。
●蓄電池の活用
平常時
昼間の余剰電力を蓄電池に貯め、太陽光発電で得た電力の自家消費を増やすことができます。
災害時・非常時
災害などによる停電時でも、蓄電池があれば停電前に充電していた電気を非常用電源として使うことができます。
平常時から定期点検、蓄電残量の確認を
蓄電池を安心して使い続けるための注意も促しています。
・平常時の適切な定期点検の実施
・蓄電残量の確認
蓄電池は蓄電残量が既定値を下回ると、安全のため運転を停止します。また、蓄電池の容量が十分でないと、停電時に自動で自立運転に切り替わらない機種も存在します。
停電時でも蓄電池をつかえるように、一般的に蓄電池の残量設定を20~30%にしておくことが勧められています。
●エネファームや給湯器の活用も
「住まい方ガイド」では、このほかにも、ガスを燃料に発電する家庭用燃料電池(エネファーム)や省エネ性能の高い給湯器の活用について紹介しています。
詳しくは「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅を住みこなす住まい方ガイド」P20、21をご覧ください。
太陽光発電と蓄電池の2つの採用方法をご提案
北洲では、新築住宅のご提案時には、太陽光発電と蓄電池を採用するための2つ方法(購入、定額制)をご案内しています。
お客様のご予算やライフプランに合わせて、適切な方法をご提案していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
エネルギー価格の高騰や気候変動への対策を講じる上でも、省エネを考えた住まいと暮らしを実現したいものです。